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上野国立西洋美術館の歴史 コルビュジエの建築で世界遺産に

国立西洋美術館
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上野駅からほど近い場所にある国立西洋美術館。企画展も頻繁に行われているので訪れたことのある人も多いと思います。

でも、国立西洋美術館の歴史についてはそんなに考えたことはないのでは?

近年では、コルビュジエによる建築で世界遺産に登録されて一躍有名になったので、コルビュジエって誰?とか、世界遺産になったのだったら行ってみようかな?とか興味を持った人も多いのではないかと思います。

ここでは、国立西洋美術館の歴史や世界遺産に登録されたコルビュジエの建築の魅力についてお話しようと思います。あなたも今すぐ国立西洋美術館に行ってみたくなるかもしれませんよ。

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上野の国立西洋美術館の歴史とは?

上野にある国立西洋美術館にはどんな歴史があるのでしょう。

戦前の実業家 松方幸次郎は私財を投じて西洋の絵画、版画、彫刻などの美術品を収集しました。その数なんと1万点以上だったとか。なんともすごい財力!

でも世界恐慌で破産しそうになって手放したり、海外で保管していた倉庫が火災にあったりで消失してしまった美術品も多くあったということです。

もしもそれが現存していたら見てみたかったな~。どんな作品だったのでしょう。

そして第二次世界大戦中、収集品はフランス政府によって管理されていました。さらに敗戦により美術品は一時フランスに没収されましたが、その後日本に返還されました。

しかし、ゴッホやゴーガンなどの作品で美術的価値が高いものはどうしても返還が認められませんでした。また、その時の返還の条件が収集品を収蔵する美術館の建設だったと言われています。

そこで1959年に現在の所在地に彼の収集品、松方コレクションを収めるために国立西洋美術館が建設されました。

この逸話からもこのコレクションの価値がわかるというものです。そして今では、中世から20世紀までの美術品を収集、展示する日本を代表する美術館になったというわけです。

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コルビュジエが設計した国立西洋美術館の建築

コルビュジエが設計した国立西洋博物館建築とはどんなものなのでしょう。

コルビュジエは「ル・コルビュジエ」と表されるのが一般的なので、ここでも「ル・コルビュジエ」と表記することにします。

ル・コルビュジエはスイスに生まれ、フランスで活躍した建築家です。フランスのサヴォア邸などの設計で有名です。

どちらにも共通しているのが1階部分のピロティ。現代では一般的なもので近くのマンションでも見かけますし、私の通っていた大学にも「ピロティ」と呼ばれる場所がありました。このピロティを初めて建築に取り入れたのがル・コルビュジエです。

ではなぜ、ル・コルビュジエが国立西洋美術館を設計したのでしょう。

松方幸次郎が収集したコレクションがフランスから返還されることになったときの条件に、彼の収集品を収蔵する美術館を建設することが盛り込まれました。そのときの設計者として、ル・コルビュジエが選ばれました。

本館の常設展「19世紀ホール」から続くスロープ状のらせん回廊を歩きながらの美術鑑賞が彼の思い描いた美術館の姿なのかもしれません。

日本では唯一のル・コルビュジエ設計の建築物という思いで美術品を鑑賞すると、いっそう味わい深いものがあります。

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世界遺産に興味があるなら上野の国立西洋美術館に行ってみよう

日本の世界遺産の数は現在20件以上(2020年)あります。その中で東京都にある世界遺産は、上野の国立西洋美術館と、小笠原諸島の2件です。

国立西洋美術館は単独で世界文化遺産になったのではなく、2016年に「ル・コルビュジエの建築と都市計画」の一部として登録されたからです。このとき世界遺産に登録されたル・コルビュジエの建築物は世界中に17件あるのですが、その中の一つに国立西洋美術館が入ったのです。もちろん日本ではル・コルビュジエの手になる唯一の建築物です。

国立西洋美術館、小笠原諸島のどちらもすばらしい世界遺産なのですが、小笠原諸島には週に1便(季節によりますが)のフェリーで24時間かけて行くことを考えると、なかなか覚悟が必要かもしれません。

その点、国立西洋美術館なら上野駅から徒歩で数分、というアクセスの良さ。思い立ったら気軽に行けますね。

美術館には特に興味はない人でも世界遺産だったら行ってみたいと思っているのでしたら、一見の価値ありです。もしかしたらこれがきっかけで「美術館っていいな」と思って美術館巡りにはまる人もいるかもしれませんね。

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さいごに

上野の国立西洋美術館の歴史や、なぜコルビュジエの建築が世界遺産になったのか、少しはおわかりいただけたでしょうか。

松方コレクションとフランスとの深い関わりを知り、彼の収集品がなかったら今のような国立西洋美術館はなかったかもしれないと思うと感慨深いです。

国立西洋美術館を訪れる機会がありましたら、美術品とともに、ル・コルビュジエの建築のすばらしさを体感してみてくださいね。