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朝倉彫塑館は、彫刻家 朝倉文夫のアトリエ兼住居を美術館として開放している建物です。
彫刻(彫塑)にそれほど興味はなくても、和洋折衷の建物や庭にもたいへん趣があり、見どころがたくさんある美術館です。
谷根千(谷中、根津、千駄木)界隈をおさんぽするのでしたら、ぜひ立ち寄ってみたい場所の1つ。
朝倉彫塑館の見どころについてお伝えします。
朝倉彫塑館の見どころ
朝倉彫塑館の見どころは、まずは彫塑作品でしょうね。
そもそも彫塑と彫刻のちがいとは?というと、いろいろ見解があるようで、素人の私にはなんともわかりません。
でも、彫刻ってイメージですけど、木とか石とかを直に刻んでいくような感じがします。彫塑は粘土などで型取りをする工程もあるのかな?ぐらいの感覚です。
朝倉彫塑館には見上げるような大きさの銅像から猫のような小動物までさまざまな彫像作品が展示されています。
また、「彫塑館」というからには彫塑がメインの美術館と思いきや、洋風のアトリエと和風の居住空間が見事に調和した建物の造りを楽しむ場所だというのも訪れてみて納得です。
朝倉さんは、多趣味の方だったのでしょうね。
書籍の数も膨大で、陶器のコレクションもしていて、「蘭の間」と呼ばれる温室もあって、屋上には菜園にしていた庭園もあって…と建物だけでもみどころたくさん。
建築が趣味という人はもちろん、ふらっと訪れた人も十分楽しめる美術館です。
四季折々の庭を楽しみたいという人も多く、季節ごとのリピーターも多いのがこの美術館の魅力の1つです。
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朝倉彫塑館のアトリエ
朝倉彫塑館に入ると順路にそって入るのはアトリエ棟です。
ここで朝倉さんが制作にうちこんでいたのでしょうね。
アトリエは天井が高く、太陽光がふんだんに入る設計になっていて、お天気の良い日に訪れるととても明るいです。
この建物全体が昭和10年に造られたそうですが、アトリエにはなんとエレベーターが設置されています。
実際に訪れてみるとわかりますが、アトリエの中には見上げるような大きな彫像もあります。これは早稲田大学を創設した大隈重信の彫像です。
このような大きな彫像を製作するために地下から彫刻をせり出せるエレベーターが必要だったのでしょうね。動くところは見られませんが、実際のエレベーターは見ることができます。
これが昭和10年にあったの?今から80年以上も前に?いや、もうびっくりです。
アトリエには他にも多数の彫像作品が展示されていて、とても見応えがあります。
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朝倉彫塑館の設計、蘭の間、屋上庭園
朝倉彫塑館は入り口から見ると洋館風です。でも裏から見ると和風建築なのだそう(見ていないのでわかりません)。
この建物自体が朝倉文夫本人の設計によるものだそうです。
洋館風のアトリエから応接間と書斎にに入ります。この書斎には天井に届くほどの書棚が壁一面に配置されていて、本がぎっしり入っています。まるで小さな図書館!でした。コレクションの蔵書も興味深いです。
そのまま進んで行くと、いつの間にか和風建築の建物に入っていきます。
和風建築の真ん中には中庭があり、池と石、植木も配置されていて、四方を建物が囲んでいます。回遊式の廊下と部屋が配置されていて、四方のどこからも中庭が見えるようになっています。
池の水は湧き水を利用しているともいわれ、大きな錦鯉がゆったり泳いでいるのを見ていると時間が止まったような感覚になります。季節によって見え方が違うんだろうな。お天気の良い日にゆったり庭を眺めていると時間の経つのも忘れてしまうくらい気持ちがいいです。
さらにそのまま進んでいくと東洋蘭のために造られた「蘭の間」と呼ばれる温室があります。
現在は猫の彫刻があちこちに展示されていて、朝倉さんの猫好きを垣間見ることができます。猫好きにはたまらない作品があちこちにあり、思わず抱き上げたくなるようなリアルさがなんとも言えないです。
さらに進んで行くとちょうどアトリエの屋上部分、建物では3階になりますが、ここに屋上庭園があります。かつては家庭菜園として利用するために作られたとか。
現在訪れると、季節の花々が咲いている花壇になっていて、四季折々の花が楽しめるようです。
屋上にも彫塑の作品があり、存在感を出しています。
屋上からの眺めも良く、スカイツリーも見えるのがいかにも現代的です。
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さいごに
朝倉彫塑館、初めて行ってみて、すばらしさに感動しました。昭和10年建築、その後戦災にも合わず当時のままで現在までその姿を保ってこられたことも感慨深いです。
今までは「彫刻にあんまり興味ないし。」ぐらいにしか思っていなかったのですが、朝倉彫塑館に限らず、実際に行ってみないと本当の良さはわからないものだな、と改めて実感しました。
だからこれからは小さな美術館にも積極的に訪れてみるつもりです。
朝倉彫塑館は、建物に入る前の前景と屋上庭園以外は写真撮影はNGなんです。だから洋風建物と和風建築の見事な調和や、中庭のすばらしさが私のレポートでは満足に伝えられないのがとても残念です。
ぜひとも実際に訪れてご自分の目で作品と建築のすばらしさを実感してみてください。
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