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第28回雪舟国際美術協会公募展が国立新美術館で開催されました!

展覧会
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国立新美術館で2021年12月8日から開催される雪舟国際美術協会 公募展に一日早くおじゃましてきました。
これから「行ってみようかな」と考えている人は、ジャンルにとらわれずに制作された作品の数々を楽しんで見ていただきたい、と思います。

また、公募展では雪舟の水墨画のレプリカも展示されているので、この機会に雪舟の世界に触れてみることもおすすめ!

さらに、「雪舟国際美術協会」の野口和男理事長にも今回、実際にお会いして貴重なお話を伺う機会をいただきました!

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第28回 雪舟国際美術協会展 公募展とは(感想を混じえて)

今年で28回目となる「雪舟国際美術協会展 公募展」は、「書」「水墨画」「日本画」の3ジャンルから出品された作品を展示する展覧会です。

東京六本木の国立新美術館の2000㎡ほどの広大な展示スペースを使って、今回は253点の公募作品が展示されています。

この「雪舟国際美術協会展 公募展」の公募作品は、様々な会派から作品が集まっていることが特徴の一つ。オーソドックスな古くからある技法の作品もあれば、斬新で個性的な作品もあり、芸術性が高く、とても見応えがあります。

「書」と「絵画」の境界を超えた美の融合

実は私、いつも「書」の展示って気がのらなかったんです(すみません)。
今までいろいろな美術展や博物展で古人の「書」を見ても、「さすがだね。上手だな~。」など、ありきたりの感想しか持たなかったのですが、この展覧会の「書」は今まで見たのとはぜんぜん違っておもしろい!
作品一つ一つに作家さんの思いが込められたコメントがついているのでそれを読みながら作品を鑑賞できたからでしょうか。文字から思いが伝わってきて、いつもより熱心に鑑賞することができました。
それに墨は黒一色というわけではなく、青や赤のようにカラフルな色を使っているものあり、でよりアートな感覚で見られたというのもよかったです。漢字の意味がわからなくても外国の方にも楽しんでもらえるんじゃないかな、と思いました。

また、現代では「書」と「絵画」の境界線がだんだんなくなってきている、という解説も聞くことができて、納得です。こんなことを言ったら罰当たりですが、延々と墨一色の(達筆過ぎてよく読めない)「書」ばかり見ていても、飽きちゃうんですよね(私に教養がない、って話ですけど)。
でも、ここではそれだけじゃない。「書」に限らず、「水墨画」も「日本画」も今までの形式にこだわらずに制作された作品が多くて、作品の世界にどんどん引き込まれて時間を忘れて見入りました。伝統とモダンの融合という言葉がぴったり。だから年齢にかかわらず、子どもから年配の方まで楽しめるというのも納得です。

さらに、乃木坂、六本木という場所柄、海外の人にも人気があるのもわかります。中にはお忍びで誰もが知っている著名人や芸能人、アーティストも訪れることもあるそうですよ!

第28回 雪舟国際美術協会展 公募展の日程と入場料

会期

2021年12月8日(水)~2021年12月19日(日)
ただし12月14日(火)は休館

場所

国立新美術館 1階展示室1C・1D
国立新美術館の場所はこちらをご覧ください。

時間

午前10時~午後6時
最終入場時間は 午後5時30分

入場料

無料 

「書」「水墨画」「日本画」の3ジャンルから成る「雪舟国際美術協会展 公募展」

28回目ともなると、美術に携わっている人なら知る人ぞ知る公募展です。

毎回、日本全国の重鎮から新人まで応募があるそう。中には毎年応募している人もいるということです。

さらに、「公募展」というからには「賞」もあるはず。そのへんのことをうかがってみたところ、今年(2021年)は、「書」「水墨画」「日本画」の3ジャンルからそれぞれ

「大賞」1名「準大賞」2名が選ばれるのだそうです。

この入賞作品がいつ決まるのか?とうかがったところ…
「公募展開催後の審査会で賞が決定する」ということです!!!

私が実際に見たところでは、どの作品が賞をとっても不思議ではないくらいのすばらしい作品ばかり。

いったいどの作品が選ばれるのか、私も楽しみです(ドキドキ)。

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雪舟の作品も展示(複製)

日本が世界に誇る「雪舟」の名前を冠する「雪舟国際美術協会展 公募展」。今年も雪舟の水墨画(複製)が展示されています。

今回の作品は「四季山水図」。山口県防府市にある毛利博物館所蔵の国宝です。

複製とはいっても、精巧な作りで言われなければわからないくらい。

「四季山水図」は、1486年制作と言われていますから、日本史でいうと室町時代ですね。

16メートルもある大作で、春から冬に季節が移り変わる山水の変化を描いたものです。

一見、中国の風景っぽいのですが、よく見ると日本の自然が描かれているんです。

毛利博物館でも展示は限られた期間しか行われていないようですが、いつか山口県にに旅行してぜひ本物の「四季山水図」を見てみたい、と思いました。

また、今回の公募展では「雪舟」について学べるパネルも展示されているので、雪舟を詳しく知りたい人はこちらも必見です。

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理事長に直接インタビューしてきました

海外の美術界でも活躍されてきた「雪舟国際美術協会」の理事長の野口和男氏。なんと今回、特別に野口理事長にお話を伺う機会をいただきました。

Q.「雪舟」を公募展の名前につけた理由を教えてください

親交のあった水墨画家で雪舟研究家の第一人者、故、土井白亭氏と「もっと自由な会風で個性を重視した作品発表の場を作ろう」という考えで意気投合したのがきっかけです。
雪舟のように日本から世界に向けて羽ばたく日本美術を広めたい、という思いで1994年に第一回の展覧会を始めたのが「雪舟国際美術協会 公募展」のスタートとなりました。

Q.雪舟のどんなところに魅力を感じますか?

雪舟は48歳の時に当時の中国、明へ渡りました。明で水墨画の技法を学び、帰国後、日本独自の水墨画を大成しました。
独特の構図と緻密な画風は雪舟ならではのものです。
雪舟の画風は中国で学んできたものを独自の創作に生かし、現在にまで受け継がれています。
それは日本の「書」「水墨画」「日本画」を海外に発信するという「雪舟国際美術協会」の理念にも通じるものがあると感じています。

Q.公募展を開催しようと思ったのはなぜですか?

日本の美術界にはもっと自由に個性を重視、優先した作品発表の場があってもよいのではないか、という思いがありました。
そこで1994年12月に第一回の「雪舟国際美術協会 公募展」を開催しました。
現在で28回目、第14回からはここ、国立新美術館で毎年開催しています。

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野口理事長の熱い思いが伝わってきたインタビューでした。

最後に「公募展というと、年配の人が多く見に来るというイメージを持たれるかもしれないが、若い人にもぜひ見てもらいたい。無料というのも気軽に見に行けるという感覚があるのでは?特に国立新美術館では館内で他の美術展が開催されていることが多いので、”無料だったら見てみようかな”と思ってもらえたら」、ということもお話しされていました。
また、「制作者さん側もたくさんの人に自分の作品を見てもらいたいと思っている。一人でも多くの人に見てもらうことでアートの良さに気づいてもらえるということもある。」ともおっしゃっていました。

さらに野口理事長、「バーチャル美術館」の構想も考えていらっしゃいます。こちらは

バーチャル美術館「Gates」として2021年4月からすでに始動しています。「雪舟国際美術協会 公募展」も近い将来、こちら「Gates」で世界中から観覧できるように考えている、ということなのでさらに国際的な公募展に発展して行くのだろう、と考えるとワクワクします。

コロナ禍で私たちの生活や考え方が大きく変わってしまいましたが、わざわざ美術館に足を運ばなくても世界中から、誰でも訪れることができる美術館、というのもこれからは必要な時代になるのはまちがいありません。まさにハイブリッドな美術館がますます求められてくるでしょうね。

「バーチャル美術館」Gates はこちらからご覧ください>>>

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野口理事長、お忙しい中、わざわざインタビューに答えていただいて本当にありがとうございました。

さいごに

毎年恒例の国立新美術館で開催の「雪舟国際美術協会 公募展」ですが、一日早く展示作業中のところにおじゃまをしてじっくり展示をみたことで、スタッフのみなさんや、制作者さんの思いを感じることができました。

古の手法に忠実な作品から、あっと驚くようなユニークな作品まで、本当にさまざま。次から次へと展開する作品を見ていると、時間がいくらあっても足りないくらいでした。

同じ館内では「庵野秀明展」が、そして歩いて10分とかからない東京ミッドタウン内のサントリー美術館では「聖徳太子 日出処の天子展」も開催中です。この一帯は六本木ヒルズの森美術館なども含めて六本木アートトライアングルと呼ばれることもあるくらい美術展が多いことでも知られています。この機会に「今日は一日美術展巡りの日」と決めて、「雪舟国際美術協会 公募展」にもぜひ足を運んでみてはいかが?

あなたのお気に入りの作品に出会えるかもしれません。