三菱一号館美術館で現在開催中の「コンスタブル展」に行ってきました。
コンスタブルはイギリスを代表する風景画家なのですが、写真の技術もなかった時代に、まるである日の風景を切り取ったような描写のすばらしさには思わず見入ってしまいました。
ここでは「コンスタブル展」とはどんな企画展なのか、コンスタブル初心者がここだけはおさえたい見どころについてお伝えします。
三菱一号館美術館 コンスタブル展とはどんな企画展なの?
三菱一号館美術館で開催中のコンスタブル展はこのような企画展です。
コンスタブルの初期から晩年までの作品が約40点、イギリスのテート美術館から日本にやってきました。
コンスタブルは19世紀のイギリスを代表する風景画家です。それまでの絵画の世界では肖像画や、神話や宗教を扱った作品が多かったのですが、コンスタブルは日常の田園風景の油彩画や、水彩画、素描にこだわりました。
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戸外に出て見たままを風景画として描いたのがコンスタブル以前は珍しかったというのが意外でした。それまでは絵画は室内で製作されるものだったのですね。
コンスタブルの絵画は細部にまでこだわって描かれていて、絵画のあちらこちらに「あ、ここに赤い花がある」とか「こんなところに人がいる、何しているのかな?」と、いくら見ていても飽きません。
とても細かく描かれている絵なのに「たった一日で描きました」という解説を読んでびっくり!という絵画もありました。
素朴な風景を描いているのがノスタルジックで、現在コロナ禍でなかなか旅行もできない状況で見たコンスタブルの風景画は心に響きました。
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三菱一号館美術館のコンスタブル展の見どころ
三菱一号館美術館で開催中のコンスタブル展の見どころは?
緻密な風景画はほんとに見ていて飽きません。
イギリスの風景なのになぜかなんだか懐かしいと思うのは私だけ?
なかでも「雲の習作」というその名のとおり空に浮かぶ雲を描き写した絵画もすばらしかったです。どんよりした空に灰色の雲が浮かんでいる様子。あ、こんな雲見たことある。そんな一瞬の空の様子をわずか一時間で描きあげたとか。
そして、今回私の一番の見どころは、やはり1歳年上のターナーとの対決。1832年のロイヤル・アカデミーでの対決を再現した展示です。
ターナーとコンスタブルの絵画が隣り合わせで展示されたのですが、自分の作品よりコンスタブルの作品が大きくて明るい色彩で目立つと思ったターナーが展覧会場での最後の手直しで赤い絵の具を足したという逸話。
その2つの絵画が今回、三菱一号館美術館での展示で再現されたのです。芸術の世界のドラマに触れた感じ。そういうエピソードを理解したうえで2つの絵画を見比べるとさらに楽しく鑑賞できます。
三菱一号館美術館 コンスタブル展とのコラボミュージアムショップとカフェメニュー
コンスタブル展とコラボしたミュージアムショップ グッズ
私は絵葉書3枚(笑)を購入しました。
他にもTシャツ(5,280円)、風景画の空の部分を転写したマグカップ(2,500円)、クリアファイル(550円~)などさまざまなグッズがたくさん。
オンラインショップでも購入可能なので興味のある方は公式HPからご覧ください。
コンスタブル展とのコラボメニュー
三菱一号館美術館に併設されている「Café 1894」では「フラットフォードの製粉所(航行可能な川の情景)」をモチーフにしたランチ(2,420円)
「虹が立つハムステッド・ヒース」をイメージしたデザートプレート(1,000円)が期間限定で楽しめます。
絵画の余韻に浸りながら舌でもコンスタブルを味わう、というのもいいかもしれません。
まとめ
コンスタブル展では、風景の細やかな描写とともに、空や雲をリアルに表現した絵画に魅了されました。この一年あまりコロナ禍で、どこへも行けず都会の風景ばかり見てきたからなおさら心に響いたのかもしれません。
そういう意味でもちょうど今の私の気持ちにぴったりの展覧会だったと思います。
コンスタブル展は事前予約チケットを購入して観覧することをおすすめします。
チケットの購入は三菱一号館美術館の公式HPからお求めください。